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こんにちは、ちむたです!
当ブログを読んでいただきありがとうございます!
本記事がおすすめの人
・会議で何をしたらいいかわからない方
本記事では、「ファシリテーション」の実践的な方法が学べる本をご紹介していきます。
実践パワーファシリテーション
著者 楠本 和矢
発行元 すばる舎
早速ですが、皆さんは会議の司会進行をされたことはありますか?
会議の司会進行に良いイメージを持ってる方はあまり多くないと思います。
かくいう私もそうでした。
・何のための会議か、よくわからない
・会議で参加者をリードしていくことが苦手
・主観的で高圧的な人がいると大変
・いつも要件や課題を聞き漏らしてしまう or 何を聞いたらいいかわからない
・アイデアや意見が何も出てこない
・意思決定されても納得感が低い
・一方的な議論となり一体感がない
・テレワークでの会議が増え余計に上手くいかなくなった
会議の悩みは挙げるとキリがありません。
このような悩みがどれか1つは当てはまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、このような悩みを全て解決するのが「ファシリテーション」という技術です!
ファシリテーションに必要なスキルや具体的なやり方がわからず悩んでいる方は、
ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください!
「ファシリテーション」とは?
ファシリテーションとは、「会議やミーティングを円滑に進めるテクニック」のことを指します。
現在、ファシリテーターはとても必要とされています。
企業の生産性を上げるには、
「同じ成果を短い時間で出す」「同じ時間で高い成果を出す」しかありません。
会議の様に時間の制約があるタスクは生産性が良くも悪くもはっきりと出ます。
まさにファシリテーターの質が生産性にとても影響してくるというわけです。
また、ファシリテーションのスキルこそ管理職やリーダーにはとても重要です。
これからのリーダーは思考促進型の問いかけを繰り出す必要があります。
つまり、自分の意見やアイデアを「押し出す力」だけでなく、
情報やアイデアを周りから「引き出す力」を有するリーダーです。
ファシリテーターがあらゆる場面で活躍することこそが、
企業活動を支えると言っても過言ではありません。
会議をコントロールするという感覚を持ち、積極的な問いによって
メンバーから知恵を引き出し、納得感のある意思決定まで力強くリード出来る存在。
これを本書では『パワーファシリテーター』と名付けています。
「ファシリテーション」を習得するメリット5選
ファシリテーションの技術を習得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
順番に説明していきます。
議論の構成をデザイン出来る
ここでのデザインとは「設計」という意味です。
会議の目的達成のために必要なゴールやプロセスを決めること。
つまり会議の設計図を作ることができるようになります。
会議の設計図を作ることで、やるべきことが明確になり、
「何をすればいいか分からない」「急なアクシデント」などにも対応出来ます。
アンテナを立て問いを立てられる
上手なファシリテーターは常に議論の状況を把握することができます。
例えば、
・今は意見を出し合っている
・論点がずれていっている
などです。
このような状況に気づけるようになれば、議論を正しいルートに戻せるようになり、
必要な問いを立て会議を促進することができます。
出てきた意見を整理できる
的確な問いを立てていくと参加者から意見が飛び交うようになります。
この数多く出た意見を整理できるかどうかが、机上の空論になるかの分かれ道と言っても過言ではありません。
問いを立て導き出された意見を整理することで納得感のある意思決定が出来るようになります。
グラフィックを効果的に使える
整理した意見を参加者に共有することで、共通認識が生まれ議論の精度が上がります。
議論内容を「可視化」という形で参加者へ共有することで、
効果的に議論を促進することができます。
議論のスタックから抜け出せる
スタックとは「身動きが取れなくなる」という意味です。
会議でのスタックとは、
・議論の停滞
・対立、批判
の様な状況です。
会議を行う上でこのような状況をゼロにすることはとても難しいですが、
長ければ長くなるほど生産性がどんどん下がっていきます。
上手なファシリテーターはスタックからいち早く抜け出し合意形成に進むことができます。
会議のはじめに共有する3点セット
会議を始める前に次の三つを準備しておく必要があります。
目的:○○のために…
お題:△△について議論する
アウトプット:議論の成果物としては□□
順番に解説していきます。
目的
皆が共通のゴールに向かって進むには「目的」に対する共通認識を図ることが重要です。
会議のファシリテーターや主催者は、会議の目的に対するメンバーの理解度を過大評価しがちになってしまいます。
少し目線を下げ、慎重に目的の確認から入るようにしましょう。
お題
お題は目的達成のプロセスの一部です。
目的の規模に応じて会議も複数回で行われます。
議論しなければいけないことが多いと横道にそれやすくなります。
その会議で議論することを必ず明確にするようにしましょう。
アウトプット
目的だけでなくこの会議で何を成果物として生み出したいのか、会議のゴールを明確にしましょう。
注意点として、「目的」と「アウトプット」を異なるということです。
目的のもとに具体的なアウトプットが存在します。
それぞれの違いを明確にし、会議のゴールをしっかり設定しましょう。
ファシリテーションに必要な5つのプロセス
議論には5つのプロセスがあり、会議に必要な要素になります。
この5つが欠けてしまうと…
・思いつきで始めるアイデア発散
・本筋と関係ない分析作業
・誰かから発せられるそもそも論
・上記により疲労感のなか振り出しへ…
このように合意形成どころか堂々巡りになってしまいます。
ここでは効果的な会議に必要な5つの要素をチェックしていきましょう。
共有
議論に必要な情報を参加者に共有するプロセスです。
共有を疎かにするとメンバー間でお題の捉え方や情報量が異なる状況で会議を進めることになり、
ほぼ間違いなく議論がスタック(停滞、対立)してしまいます。
■イメージ
・議論の目的
・参考資料や事例
・議論となる対象の実態
・既存の決定事項
■実施するタイミング
・メンバーのお題の捉え方が不安
・メンバー間の情報量が違う
・議論がはかどりそうな情報があるとき
■注意点
この時、既にある事実と、誰かの意見や主張は異なるものなので、混同させないように意識して共有しましょう。
定義
議論で用いる言葉の定義を明確にするプロセスです。
言葉の定義をあやふやにすると、各々の解釈にバラツキが発生すると収拾がつかなくなります。
■「定義」のイメージ
・顧客の成功とあるがこの場合の成功とは?
・浸透施策とあるが、どこまでいって浸透したとするのか。
・社員とあるが、社員の対象範囲とは?
■実施するタイミング
・お題の中に曖昧な名詞や動詞がある場合
・対象範囲が曖昧な場合
・抽象的な概念に対して意見の対立が起きた時
■注意点
あまり細かく定義づけする必要はありません。
定義すべきか迷った場合は、一旦先に進めて議論がしにくくなった時に一度戻って定義付けするようにしましょう。
発散
あるテーマに関する意見やアイデアを多くだすプロセスです。
いわゆる「ブレインストーミング」です。
ここでは沢山のアイデアを出すことを目的としています。
■「発散」のイメージ
・スキルアップを目的とした施策を洗い出す
・自社技術の活用方法についてアイデアを出す
・売りとなる新機能の候補案を出す
■実施するタイミング
・視点を広げて新しいアイデアを沢山集めたい時
・導きだした課題を解決するための施策を得たい時
■注意点
ここでのファシリテーターの役割はメンバーの発想を促すことです。
アイデアではなく、参加者が意見を出しやすいように「切り口」を提示するようにしましょう。
解明
何かの事象が発生している要因を分析するプロセスです。
なぜ?から始まるような議論です。
発散の一種でもありますが、解き明かしたいテーマの要因を特定することが目的になります。
単に想定要因を出して終わりではなく、主たる要因を特定して完了するようにしましょう。
■「解明」のイメージ
・何故、あのサービスは好調なのか、その要因を探ろう
・成果にバラツキがある理由を特定しよう
・なんでこれを選んでくれないのか原因を特定しよう
■実施するタイミング
・そのお題が設定された背景に、なんらかの課題が存在している時
・アイデア発散の前に、課題を整理したい時
■注意点
単に想定される要因を出して終わりではなく、主たる要因を特定して完了するようにしましょう。
選択
複数の選択肢から、最も適当なものを選ぶプロセスです。
必然的に「発散」の後に出てきます。
■「解明」のイメージ
・2つの戦略のうち、どちらを導入するか
・旅行の行き先はAとBのどちらにするか
・AとBのどちらに任せるか
■実施するタイミング
・複数の選択肢があり、どちらかを選ばなければ次に進めないとき
・最後の意思決定段階のとき
■注意点
いくつかの候補から選択するときは必ず基準を設定してください。
会議の目的に照らし合わせて基準を定めるようにしましょう。
会議の生産性を高める3つのコツ
ここまで基礎となるノウハウをご説明しました。
ここからはさらに会議を効率よく効果的に進めるコツをご紹介します。
4本のアンテナを張る
アイデアを引き出すためには的確な問いを立てることが重要であると説明しました。
問いを立てる観点として次の4つを意識しましょう。
①ズレてない?
②理解出来る?
③どう拡げる?
④どこを深掘る?
①と②は議論を正しく進めるために必要な意識。
③と④は議論を活性化するために必要となる意識になります。
4つの観点を駆使してメンバーが気づいていないアイデアの視点を提示しましょう。
ホワイトボードを活用する
会議におけるホワイトボードの活用はとても有効です。
議論の流れ、発送するための切り口が可視化されるためです。
可視化の順番としては次の通りです。
①見出しを書く
②関連性を示す
③強調する
④補足する
①は3点セット(目的・お題・アウトプット)を書き込みます。
そのあと5つの要素項目ごとに書いて、議論内容を書き込んでいきます。
②③④は線で結んだり色を変えたり吹き出しで追加したり臨機応変に書き加えていきます。
《ホワイトボードの使用例》
会議室にホワイトボードがある場合は積極的に活用していきましょう。
会議のスタックを抜け出す
前半でも少し説明しましたが、会議でのスタックとは次のような状態を指します。
・発言が出てこない/的外れな発言しかでない
・議論が堂々巡りになっている
・意見が対立している
これらは参加者の中で前提(目的・基準・情報・定義)がずれているために発生する事象です。
こうなるとスムーズな合意形成が難しくなる為、次の施策を順番に試してみてください。
①別軸評価
当初の評価軸で差がつかない場合、別の評価軸を検討して再度評価を行う。
②ネガ消し
各案のネガティブ要素を払拭する施策を検討し、それを踏まえて再度評価を行う。
③第三の案
別軸評価、ネガ消しで解決できない場合、評価が分かれている部分を解決する「第三の案」を提示する。
④部分譲歩
「第三の案」も出なければ、仮にどちらかの案を選ぶ。当該案を改変、縮小するなど「部分譲歩」して納得感を高める。
このような状況は会議で多発する為、ぜひこの4つの方法を試してスタックを突破してください。
まとめ
今回は会議における「ファシリテーション」の具体的な実践方法についてご紹介しました。
・はじめに「目的・お題・アウトプット」を共有すること
・会議には「共有・定義・発散・解明・選択」の要素が必要なこと
余談になりますが…
私が上司にファシリテーションのことを相談したときにこう言われたことがあります。
『結局本にはいろいろ書いてるけど、なかなか使えないからね』
たしかに本に書かれていることの実践は難しいと思います。
おまけに周りはその本を読んでいないので、尚更理解が得にくく上手くいかないことも多いです。
ただ、私はこの本に出会ってから会議へのモチベーションが劇的に変わりました。
ここまで具体的なやり方が載っていると実践する際にそこまで悩むこともなく、誰もが嫌がっていた大人数かつリモートでの定例会議のファシリテーションを約1年間ほとんどつまづくことなく進めることが出来ました。
この成功体験は私のキャリアではとても大きな経験だったと思います。
ぜひ皆さんも一度手にとって読んでみてください!
今回は以上になります!
皆さまのお役に立てたら幸いです。
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