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こんにちは、ちむたです!
当ブログを読んでいただきありがとうございます!
本記事がおすすめの人
・組織を変える方法を知りたい方
本記事では、「仕組み化」の本質に迫った本をご紹介していきます。
とにかく仕組み化 – 人の上に立ち続けるための思考法
著者 安藤 広大
発行元 ダイヤモンド社
早速ですが、皆さんの周りにこういう人はいませんか?
・「なぜミスをしたんだ?」と個人を責める管理職
・「あの部長/新人のせいだよね」と愚痴を言う同僚
このような人たちは、そうなってしまった背景にあるルールを疑わず、
個人にしか目を向けない考え方をする典型例です。
本書では、そのような「ミスや愚痴」が発生した起因となるルール、
つまり「仕組み」にフォーカスすることでそのような状況を冷静に対処し、
健全な組織運営が出来ると説いています。
「自分の組織運営が上手くいかない」
「チームを持続的に成長させていきたい」
こんな悩みを抱えている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください!
仕事はなぜ「とにかく仕組み化」なのか?
「仕組み化」と聞いてまず連想されるのは、
ビジネスモデルなどの組織運営に必要とされる
具体的な技術ではないでしょうか?
本書では、そのような「ビジネスモデル」の話ではなく、
「人をどう動かすか」にフォーカスした仕組みについて解説されています。
また、仕組み化する際には次の2点を押さえておきましょう。
性弱説を前提に考える
性弱説とは、精神論を諦めた上で物事を考えた方がいいという教えです。
「○○をしたら、××をする」
という、シンプルな習慣術がわかりやすいです。
「○○さんからメールが来たら、3時間以内に返信する」
このように「簡単な行動」と「続けられない習慣」を結びつけておく発想です。
このようにそれぞれの行動を仕組み化しておかなければ、
「メールを返信しないといけないな・・・」
と、頭で考えてしまい、都度自分の誘惑と戦っていかなければいけません。
チームのメンバーに、
「私からメールが来たら、3時間以内に返信してください」
というルールを設定することで、動かざるおえなくなります。
このように、他者からの明確な指示やルールがあることで、
初めて仕組みが機能し、組織が動いていくのです。
組織は放っておくと属人化する
「優秀な人」がいることが「優秀な組織」であることと同義ではありません。
優秀な組織とは、
「優秀な人が不在でも、チームとして機能することで勝てる組織」
を指します。
属人化はリスクです。
一時的にはうまくいくかもしれませんが、
時間の経過とともにいずれ停滞していきます。
営業成績で考えたとき、
全員が切磋琢磨し順位が入れ替わる、それが成長する組織です。
それが起こっていないということは、
そのような仕組みがないこと(=誰かに依存した組織)を意味します。
つまり、仕組み化がされず放任的な組織運営を行うと、
自然と人に依存した組織が生まれ、属人化進んでしまうということです。
「とにかく仕組み化」出来るマネジメントに必要な思考法5選
それでは組織を仕組み化していくための考え方について5つ紹介していきます。
これは会社でのポジションが上位になるほど大切になってくる考え方です。
現在ポジションが上位の方も、これから上がっていかれる方もこの考え方を知っておきましょう。
「責任と権限」を手に入れる
世間一般に「権力」には悪いイメージが先行しがちです。
しかし、人が権力を持つこと自体決して悪いことではありません。
権力があるから統治が生まれ組織が成り立ちます。
権利を持つことを許された人が、それを正しく行使する。
そうすることで健全な権力として機能していきます。
その考えを認識して仕組み化する上では次の4つを意識してください。
「いい権力」と「悪い権利」をわける
ある特定の権利を持たない人が、
「そんな話、私は聞いていない」
と主張し、責任以上の権利を行使してしまう場合があります。
これは「悪い権利」です。
本来であれば、何か問題が生じたときに“責任をもつ人”が指示や許可を出し判断すべきなのです。
それは当然のことであり「いい権力」です。
当たり前のことかもしれませんが、
このように「いい権力」と「悪い権利」を分けて考えることが重要です。
意思決定で「線引き」をする
何かを決める場面で意見が分かれ曖昧な状態になると、
「言った言わない」の問題が起こります。
ハッキリと線引きを行って、責任者がキッパリと決めるようにしましょう。
この時、人の上に立つ人は、
「これは私が決めました」
と主語を必ず自分にして伝えることが求められます。
「朝令暮改」を恐れない
仕事における正解は日々変わっていきます。
他に良い案が出てきたり、状況の変化で今の運用に問題が生じたりすれば、
潔くルールを変更してください。
そこで「どう思われるか」を気にする必要はありません。
権限を与える
部下には権限を与えるようにしましょう。
具体的には「自由に動ける範囲」示すことです。
もし、責任を果たす上で権限が足りない場合は必ず報告してもらうようにしてください。
お互いに「責任」と「権限」の認識にズレが無いように調整していくことが重要です。
「危機感」を利用する
いくらルールを作っても人が動いてくれないこともあります。
そんな時には、人が本質的に何を求めているのかを見抜けるようになりましょう。
次の4つを意識して正しく恐怖(危機感)に気付けるようになれば、
裏の側面に目を向けることができ仕組み化に利用することが出来ます。
「怖い人」の意味を理解する
本来、仕事における「怖い人」はパワハラをする人ではなく、
「仕事で求められる基準が高い」
「的確なフィードバックをする」
このような、明確な判断軸を持ち、仕事への厳しさを見せる人です。
評価における基準が明確になれば、
誰が見ても理不尽に思うことがなくなり、部下からの言い訳も発生しません。
説教をしない
長時間の説教をしても人は変わりません。
むしろ相手をしてもらったと勘違いしてしまいます。
自分が説教をして気持ちよくなるのではなく、
部下が「改善点を見つける」ためのコミュニケーションを取ってください。
「自分で考える時間」を与える
「○○を達成すれば評価します」
これを伝えるだけで正しい恐怖感が生まれます。
そのためには本人に考えさせる時間を与えてください。
人の上に立つ人は決して「話を聞きすぎない」ことを意識して、
「距離感を保つ」「制限時間を作る」などの最低限のルールで見守りましょう。
「成長したい人」から負荷を奪わない
結果を出していないのに、なぜか評価される。
このような状態が発生すると、向上心のある部下は結果に納得できずやめていきます。
人の上に立つ人は、
「とにかく高い目標」ではなく、「少し高めの目標」を設定して、
成長に必要な負荷をかけモチベーションを下げないようにしましょう。
「比較と平等」に気をつける
人は常に比較し、比較されお互いの価値を認識しあっています。
その前提に立って、仕組みを作るようにしましょう。
裏ではそのような競争が起こっているにも関わらず、
表で伏せてしまうのは事実に反する行為です。
比べることから逃げない
人の上に立つ人は、人と比べるための仕組みを整えなければいけません。
頑張った人に報いるのが本当の「平等」です。
そうすることで評価の高い人が残り、低い人は考えを改めます。
「褒めるべきものを褒め、褒めるべきでないものは褒めない」
これを徹底して、平等な仕組みを作るようにしましょう。
「環境への言い訳」を認めない
「条件や状況が悪かった」
このように環境のせいにしていることはないでしょうか。
もし他に同じ環境下で結果を出している人がいた場合、それは言い訳でしかありません。
それらの境界をしっかりと決め曖昧な評価をなくし、
環境のせいではなく、試行錯誤という前向きな行動がとれる仕組みを整えてください。
「人間関係の問題」を生み出さない
仕事の悩みの多くは人間関係です。
人間関係が起因して辞めたり休職したりする人は少なくありません。
人間関係の悩みがなく、仕事に集中できる環境づくりをしてください。
その為にはえこひいきを許さないスタンスを取り、
毅然とした態度とルールで仕組み化していくようにしてください。
「マイナス評価」を受け入れる
降格や降給などのマイナス評価の仕組みを受け入れられるようになりましょう。
常に同じ評価や状況では人は頑張らなくなり、属人化も進んでしまいます。
評価や責任の結果が自身にフィードバックされることは、
持続的な成長を促すための大事な仕組みです。
「企業理念」を再認識する
目の前の仕事に向き合うことは役割や責任を果たす上で大切なことです。
ただ、上司、リーダー、経営者がどこに導こうとしているかを把握することも、
仕組み化する上で重要です。
ここではそんな経営理念を把握することの大切さについて説明していきます。
自社の商品やサービスをバカにしない
自社の悪口を言う。そんな態度を周囲に取っていないでしょうか。
そうやって会社に反発しながら給料をもらう人には絶対になってはいけません。
そういう人は、時間や労力をかけられる会社や部署に移るべきです。
組織の「企業理念」を言えるようにしておく
経営者でない限り、企業理念を完璧に理解することは難しいです。
ただし、上に行けば行くほど企業理念の深い意味を理解できるようになります。
これは、自分の責任に応じて見えるものが変わってくるためです。
全ての行動が企業理念をもとに意思決定することはできません。
しかし、「自社が何を実現しようとしているのか」を認識しておくことは重要です。
完璧でなくとも、頭の中に企業理念を入れて働くようにしてみてください。
「経営者の指示」を現場に伝える
「経営者は理想でモノを言っている」
現場からこのような反発が起きないようにマネージャーは、
経営者の考えと自身の責任に基づいて部下に必要な指示を伝えられるようになりましょう。
また、経営層が現場を正しく理解できていない場合はそれを伝えることも大切です。
その2方向の役割がマネージャーには求められます。
「企業理念のない会社」の問題点を理解する
企業理念は経営者の判断軸です。
これがなければ、「利益重視であとは何をやってもいい」という考えに陥ってしまいます。
そのような状態にならないよう、企業理念をしっかりと把握してください。
「進行感」を感じる
組織で何かを達成するには1人の力では難しいです。
他者と協力して何を成し遂げる、これが人数換算だけではない組織の強みです。
大事なことはうまく頼るということです。
人間関係の悩みがなくただ、成果に向かってみんなで進む。
そんな仕組み作りが大切です。
どうすれば「会社が変わるか」を理解する
「ウチの会社は全然変わらない」
このような愚痴を皆さんもよく耳にするのではないでしょうか。
「会社が変わる」とは「会社の仕組みが変わる」ということです。
会社の制度が変わり、経営者から現場に降りていきます。
その為、基本的には経営者しか会社を変えることは出来ないのです。
ただ、ここまでの内容を振り返れば、
現場からアプローチ出来こともあります。
現場はマネージャーに、マネージャーは経営層に。
ボトムアップ型で経営者に思いを伝えることも重要です。
「組織人」になる
人の上に立つと意識が変わり、
「ウチのチームならできる」と個人ではなく組織全体で物事を考えることができます。
これは決して「社畜」ではありません。
人の上に立つと、部署全体もしくは部署を横断して業務を遂行していく感覚を覚えます。
「同じ会社、集団にいる」というメリットは非常に大きいのです。
「この会社に居続けないと損だ」と感じる
社会から必要とされる会社。
自分がその一員であるなら誇りに思えるはずです。
「そんな会社には居続けないと損だ」と思えるなら、
目の前の仕事に全力で取り組んでください。
それが、人の上に立つ人であれば、配下の社員にその思いをしっかりと伝えましょう。
それにより、社員が理念に基づいた目標を設定し、
達成状況を確認していくことで企業理念を本当の意味で実感できます。
こうなると社員が「辞める理由」がなくなります。
「帰属意識」を芽生えさせる
短期的な利益だけ見ると、アウトソーシングでもいいかもしれません。
ただし、そこに仲間意識が芽生えることはありません。
組織で働く人は、長期的な目線で見るようにしましょう。
「成長させてくれる」
「みんなで大きなことを達成する」
このような感情は同じ組織で働くからこそ味わうことができ、
「帰属意識」も芽生えていきます。
これが個人ではなく、組織で働くことのメリットです。
まとめ
今回は組織における「仕組み」の本質についてご紹介しました。
・個人ではなく仕組みを責め、変えていくこと
・仕組み化する際は「性弱説」を前提に考えること
本書のタイトルからは、いい意味で裏切られた内容でした。
ここまでマネジメントに対する姿勢や方法論を説いているとは思っておらず、
もっとビジネススキルのような「手段」に特化した内容を想像していたからです。
本書で紹介されていることは、誰でも思い当たる「あるある」なもので、
イメージしやすいものばかりでした。
だからこそ、解説されている具体的な方法についても、
すっと腹落ちし、すぐに実行することができました。
業種に関わらず、どなたにでも役立つ内容だと思います。
組織やチームを運営される方、そのポジションを目指す方、その中で働く部下の方。
組織に属する皆さんが知っておくべき「マネジメント」の本質が本書には詰まっていました!
社会人の方は、ぜひ一度読んで見られることオススメします!
今回は以上になります!
皆さまのお役に立てたら幸いです。
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